パラダイス

陶器

パリの工房

1996年以来アスティエ・ド・ヴィラットは、18世紀のパリで栄華を極めた工房の伝統を守り、職人技を駆使した手作り陶器をパリで製造しています。

パリのコントルスカルプ地区中心部に工房を構え、当時最も有名だったマニュファクチュール、『ポン=オー=シュー(Pont- aux-Choux)』は、1743年から1788年にかけて大量の陶器を製造していました。続いて19  世紀には、『クレイユ・エ・モントロー(Creil et Montereau)』や、1938年に閉業した『ショワジー=ル=ロワ(Choisy-le-Roi)』を始めとする数多くの陶器製造工房がパリ地方で発展を遂げました。

これらの名を馳せたマニュファクチュールの継承者として、パリ随一の規模を誇る工房を営むアスティエ・ド・ヴィラットは、伝統的陶器製造技術を現代に蘇らせています。

スタイル

アスティエ・ド・ヴィラットの二人のクリエイターは、装飾美術史や大衆美術史に加え、廃棄され、忘れ去られた物たちの歴史にインスピレーションを求めました。彼ら目指すのは、オリジナリティに溢れて前代未聞でありながら、ずっとそこに存在していたような錯覚を与える、夢に描いたパリの空想上の証を創造することでした。

一つひとつ職人が手作りする陶器には、一点ものが持つ美しさが宿ります。手仕事と自然乾燥により、それぞれに表情が異なる陶器が完成するのです。白い釉薬から不規則に見え隠れする茶褐色の土。時に生じる凹凸や窪み、透け、小さな穴なども、陶器に唯一無二の個性と命を吹き込む美点として評価されています。

製造

製造技法は、アスティエ・ド・ヴィラットの創作チームが完成させました。廃れてしまった古来の技法、「エスタンパージュ」の近代化を図り、蘇らせたのです。本来彫刻に用いられていたこの技法を二人のクリエイターに伝授したのは、恩師であるボザール美術学校の教授陣でした。

陶器は、薄い板状にした土を型に押し当て、一つひとつ手作りしています。使用する土は、パリ盆地の採石場から採取した粘土です。この薄い板状の土も手作りですが、ほとんどの職人が「クレイマシン」と呼ばれる機械を使用する中で、極めて珍しいことです。

型抜き後、窯で1回目の焼成を行う前に、例えばカップなどの場合には、様々な構成パーツを手作業で組立て、形を整えます。

このようにして出来上がる素焼状態の陶器に、アスティエ・ド・ヴィラット独自の技法で釉薬を掛けた後に再び窯に入れ、2回目の焼成を行います。欧州規制(EU指令)に従い、陶器の釉薬には鉛もカドミウムも含まれていません。

製造の工程は極めて長く、繊細です。一人ひとりの職人が全工程の専門知識を持ち、最初から最後まで美しい陶器を仕上げることだけに全力を注ぎます。この理由からも、陶器の製造には長い時間を要します。それに加えて各工程の間に、決められた乾燥時間を組み込まなければなりません。

その結果、一つのカップの製造期間は15日間にも及びます。

それぞれの陶器の土には、ブランドのロゴである絡み合うAとV の文字と、製作した職人のイニシャルが刻まれています。

メンテナンス

アスティエ・ド・ヴィラットの陶器は、白色の釉薬特有の輝きを保つために必要な、基本注意事項が守られている限り、日常使いも、食洗機での洗浄も可能です。

食洗機使用時には、例えば「グラス」や「デリケートな食器」洗浄用プログラムを選択するなど、45~55℃範囲内の低温度設定をお勧めします。

食器に刺激の少ない、リン酸塩を含まない食洗機用洗剤の使用をお勧めします。

一方で、温度が65℃以上に上昇する「フライパン・鍋」用などの強力洗浄プログラムは、常用により釉薬に腐食作用を及ぼすため、避けて下さい。

また、電子レンジやオーブンの使用も避けて下さい。
オーブンから取り出した際に生じる熱衝撃により、陶器が破損する危険性があります。

時間経過とともに、紅茶やコーヒーの褐色の跡が残ることがありますが、粘土質を含む研磨剤やシルバーポリッシュなどのペースト状の洗剤で落とすことができます。

パフュームキャンドル

香りの旅

魅惑に包まれた香りの旅路で、アスティエ・ド・ヴィラットのキャンドルコレクションは熱狂的旅人を、マリエンバードのロココ様式に彩られた湯治場から香りと共に立ちのぼる湯煙の中へ、数多の香り混淆するデリーの小径へ、そしてナポリ一番のパティスリー・バー『スカトゥルキオ』へ、あるいはマント=ラ=ジョリのフレッシュアロマハーブのマーケットへと誘います。象徴的な土地に実在する香り、あるいは空想上の香りを、最上級の原材料で作り上げたキャンドルに閉じ込める。それは、壮大なる挑戦でした。その結果として生まれたのが、燃焼時はもちろん、そのままでも繊細で、まったく重苦しさを感じさせず、心地良い香りを放つ植物由来のワックス製キャンドルです。

日本のフレグランスメーカーである『高砂』の研究室に最高のチームメンバーが集結しました。一方は、イヴァン・ペリコリとブノワ・アスティエ・ド・ヴィラット。そしてもう一方は、エミリー・マゾー、そしてメゾンのスター調香師であるフランソワーズ・キャロンと、彼女が率いる若手の調香師たち。押し寄せる高揚感と焦燥感。いずれも甲乙つけがたく魅力的な香りの選択を迫られる場面では、果断が必要でした。

その結果、32種類のパフュームキャンドルが生まれました。容器は気泡入りガラス、またはアスティエ・ド・ヴィラットの白い陶 器。植物由来のワックス製キャンドルは、燃焼時はもちろん、そのままでも繊細で、まったく重苦しさを感じさせず、心地良い香りを放ちます。

製造

キャンドルが製造されているのは、ワックス作りを極めた巨匠が営む南仏の工房。蝋職人の手仕事による伝統的な工程では、ワックス、香料、ガラス容器、そしてノウハウ、そのすべての要素に最高峰を追求し続けています。

アスティエ・ド・ヴィラットのキャンドルに使用されている独自の100%天然ワックスは、パラフィン類や石油化学系物質、OGM   を一切含みません。格別に滑らかで柔らかいテクスチャーは純度の証。大豆オイルや秘伝の植物、微量の蜜蝋を配合し、最も優れた蝋職人の長時間にわたる手作業の末に完成するワックスは、香料との相性も抜群で、燃焼時はもちろん、そのままでも香りを楽しめます。

キャンドルには、エッセンシャルオイル、アブソリュートなど、いずれも最上級の原材料を使用しています。同時にアスティエ・ド・ヴィラットは、香りを構成する成分リストをパフューム製品のパッケージ上に印字している唯一の製造者です。アスティエ・ド・ヴィラットのキャンドルの賦香率は、ほぼすべての香りで12%。すなわち、パフュームキャンドル承認基準最大濃度を配合しています。

各灯芯は、フレグランスのタイプに適応させています。100%コットン素材を縒り合わせた灯芯は、燃焼後も跡が残らず、持続性が高く、燃焼時間はフレグランスに応じて60~70 時間です。

トスカーナ地方で手吹きされたシンプルでシックなガラス容器が、コレクターを惹きつけます。

陶器製の容器は、パリのアスティエ・ド・ヴィラットの工房で作られています。

キャンドルのラベルと包装紙の印刷は、フランス最後の活版印刷職人であるユアン氏が担っています。パリ郊外にあるその印刷所は、何十年もの間、高名作家の詩集や小説を専門に、今日ではほとんど失われてしまった、極めて芸術性の高い活版印刷を手掛けていました。今日、この唯一無二のノウハウは、アスティエ・ド・ヴィラットのキャンドルに活かされています。この事実自体が、一つの小さな革命だと言えるでしょう。

すべて手作業で行われる様々な工程では、専門的な知識と技術、そして忍耐力が求められます。空のガラス容器を、大きな作業台の上に並べます。容器の中心に、星型の金具に留めた灯芯を置きます。その上から、一つひとつの容器に、香料を混ぜたワックスを手作業で注ぎます。ぴんと張られたワックスの表面中央に灯芯を完璧に配置するためには、複数の工程にわたる調整作業が必要です。次いで、一つひとつのガラス容器に手作業でラベルを張ります。こうして完成したキャンドルを専用ボックスに収め、熟練した手さばきで一つひとつ包装します。

クロシェ

アスティエ・ド・ヴィラットのキャンドルに合わせて、軽くて非常に割れ難い、美しいガラス製のクロシェを提案しています。ヴァンデ地方の小さな工房で製造される、手吹きのホウ珪酸ガラス(硬化ガラス)製のクロシェがキャンドルを保護します。包み込むように閉じ込めた香りを、クロシェを裏返して解放します。

使用方法

燃焼を最大限安定化させるため、使い初めに最低1時間連続燃焼させます。次いで、2~3時間単位の燃焼を数回繰り返すこ とにより、香りの真髄を引き出します。完璧な燃焼状態を維持するため、使用毎の灯芯カットを推奨しています。これにより、常に灯芯をキャンドル中央に保ち、容器の黒ずみを防ぎます。

使用上の注意事項

すべてのパフュームキャンドルに共通して、守らなければならないいくつかの注意点があります。

目の届かないところや、子供や動物が触れることができるところでは、決して燃焼させないで下さい。キャンドルは、風を除け、燃えやすいものの近くを避けて、耐熱性のある素材の上で使用して下さい。燃焼中のキャンドルを移動させないで下さい。熱いワックスに触れないで下さい。

インセンス

フランソワーズ・キャロンと若手調香師のチームが創作したアスティエ・ド・ヴィラットの9種のインセンスが、旅へと誘います。ウランバートル近郊に広がる無人のステップへの逃避行、エルサレムの街中に出現するオリーブの木が生い茂る庭への巡礼、オペラ・ガルニエの蜜蝋で磨かれた床で踊るパ・ド・ドゥー……。

製造

地球上で最も優れたお香が製造されているのが、神戸の沖に位置する、気象条件に恵まれた淡路島です。千年に渡り父から息子へと、「香師」が代々継承する伝統工法を用いて手作りされています。製造の4工程は、香師だけが熟知しています:香木やハーブなどの植物、植物樹脂、香料で構成される天然由来限定の原材料を調合。長時間しっかりと圧をかけながら粘土状に練り上げ、その後2週間休ませて香りを浸透させます。この粘土を手作業で細長い帯状に伸ばし、必要なサイズに裁断。西風に3日間当てて乾燥。次いで、棒状にしたお香を束ねます。

1 箱125本入り。燃焼時間各30分。

使用方法

棒状のお香1本の先端に火をつけます。炎を吹き消して煙を立ちのぼらせます。お香立てや香炉、または砂や米粒で満たしたボウルに立てます。
燃焼を途中で止める場合には、火のついている先端を軽く潰します。そのままの状態で、再利用が可能です。

使用上の注意

目の届かないところや、子供や動物が触れることができるところでは、決してお香を燃焼させないで下さい。
燃えやすいものの近くでは使用しないで下さい。

オーデコロン

フランソワーズ・キャロンとアスティエ・ド・ヴィラットが完璧に意気投合した末に、前代未聞、且つ規準を厳密に尊重した本物志向のオーデコロン4種が誕生しました。
賦香率は、6~8%。シトラスがメインノートのフレグランスは爽やかで儚く、肌に心地良くフレッシュな余韻をほんの微かに残します。

フィレンツェで作られた手吹きガラス製ボトル。各種内容量は3サイズ。40ml、150ml(アトマイザー)、そして900mlは贅沢の極  み!

スキンケア製品

ハンドケア製品とソープの創作では、オーガニック化粧品を専門とするスイスの研究所の協力を仰ぎました。そして、いまだかつてないほどの柔らかさの、まったく新しいフォーミュラとテクスチャーが、アスティエ・ド・ヴィラットのために開発されました。

天然成分配合の製品の香り作りは、高砂の調香師チームに委ねられています。

スイス製のオーガニックハンドクリーム

独特のテクスチャーは、超高濃度、超繊細であると同時に、極めて高い栄養補給効果を発揮します。まるで何もつけていないかのような軽やかさで肌に広がり、瞬時に浸透し、ベタつきは一切ありません。手の上をなめらかにすべるほんの僅かな量で充分。有機栽培したヒマワリとホホバのオイル、再生効果のあるレモンバーム、優れた傷の治癒特性を持ち、植物の女王と呼ばれるヴァレー州産のインペラトリアを「オーバードーズ」配合したフォーミュラの力で肌を保湿し、美白し、柔らかくし、保護します。250 mlの薄型ポンプボトル。

文具

活版印刷革命

アスティエ・ド・ヴィラットは、ノートやスケジュール帳、消しゴム、鉛筆などを創作し、時の流れと共に文具のコレクションを広げてきました。
すべては、スケジュール帳の世界において画期的な発表となった、『アジェンダ・マヴィ2000』から始まっています。
活版で印刷された、世界で唯一のスケジュール帳です。
1週間が8日ある、唯一のスケジュール帳です。

スケジュール帳の表紙を覆うキューブ柄は、19世紀のセメントタイルからインスピレーションを受けて、誰よりも早くアスティエ・ド・ヴィラットが復活させたモチーフです。それに追随して、現在では再び多くの注目を集めるようになりました。

その一方で、アスティエ・ド・ヴィラットが、フランス最後の活版印刷職人であるユアン氏と共同開発した、独創的で革命的な印刷技法は、誰にも模倣出来ません。スケジュール帳の表紙は、伝統的な印刷工程に従い、現在ではほとんど見ることのないマグネシウムプレートを使用した活版で印刷されています。色をタンク内とロール上で混ぜ合わせるため、二枚と同じものはありません。古典彫刻とオプ・アートの中間に位置する真の芸術作品は、慎ましやかにノートやスケジュール帳を覆っています。

一面にのみ金色の星が刻印された黒い帯に包まれた、長方形で白い3種類の消しゴムは、使用する原材料の質の高さで最も知名度が高い東京の専門企業のタンクの中で製造されています。基本の原材料は植物油、軽石、プラスチック素材。紙に穴をあけることなく、やさしく消します。アスティエ・ド・ヴィラットチームは、フランソワーズ・キャロンの指揮の下、高砂で創作した3 種類のフレグランスを、この消しゴムに閉じ込めるアイデアを思いつきました。紙の上、鞄や引き出し、戸棚の中で、心地良い香りをじわりじわりと放散させながら、それはまるで魔法のように、私たちの過ちを消し去ってくれるのです。